- アクリル樹脂エナメルってどんな塗料?
- どんなところに塗ることが出来るの?
- メリット、デメリットは?
塗料はたくさん種類があり、用途や適用下地が違ってきます。
適切な塗装の設計ができるよう。アクリル樹脂エナメル(AE)について解説します。
塗料の種類や記号、適用下地、特徴は一覧表として下記記事にまとめていますのでそちらもご覧ください。
アクリル樹脂エナメルはこんな塗料
アクリル樹脂エナメルは塗料の主成分の合成樹脂がアクリル系の塗料であるアクリル樹脂塗料の一種で1979年にはJISで規定されていて品質が明確化されている実績がある塗料です。
内外壁面の美装を目的とした平滑仕上や、金属製建具、外装材などに用いられ。耐久性があり経済性を考慮し中程度の仕上げ材料として広く用いられてきました。
しかし、環境配慮VOC対策としてJISより廃止され、合わせて公共建築工事標準仕様書より削除されました。
現在ではコンクリート面などの塗装には低VOCのアクリル樹脂エマルションペイント(AEP)などが用いられるようになっています。
ちなみにアクリルと名がつく塗料はほかにも「アクリル樹脂エマルションペイント(AEP)」や「アクリル樹脂系非水分散形塗料(NAD)」、外壁に使われる「アクリルシリコン樹脂」などがありますが、
「アクリルシリコン樹脂」はアクリル樹脂塗料ではなく塗料の主成分の合成樹脂がシリコン系の塗料です。
アクリル樹脂エナメルの略号
アクリル樹脂エナメルは略号として日本建築学会のJASS 18、公共建築工事標準仕様書などとも共に「AE」と表記されていました。
日本工業規格のJISではアクリル樹脂エナメルは「JIS K 5654」に定められていました。
透明仕上げのアクリル樹脂ワニスは「JIS K 5653」に定められていましたが、アクリル樹脂エナメルとアクリル樹脂ワニスは共に環境配慮としてJIS規格より廃止されました。
アクリル樹脂エナメルの適用場所
アクリル樹脂エナメルはコンクリートやモルタル素地の内壁、外壁面の美装を目的とした平滑仕上や耐候性・美装性があるので金属製の建具や外装パネル、間仕切りパネルなどにも使用されてきました。
コンクリート素地、金属素地ともにアクリル樹脂エナメルで仕上げることができますが、コンクリート素地などと金属素地に塗る場合は各々下塗り材が異なっているので注意が必要です。
コンクリート素地やモルタル素地などに用いられる場合は下塗りはアクリル樹脂ワニスなどが適合し、金属性建具に用いられる場合の下塗りは金属系下地用アクリル樹脂プライマーなどが適合する。
耐用年数
アクリル樹脂エナメルの耐用年数は5年程度と短くほかの塗料と比べて頻繁に塗り替えが必要でランニングコストがかかります。
まとめ
「アクリル樹脂エナメル」は環境配慮VOC対策としてJISから削除されて塗装工事ではつかわれなくなってきました。
建築の仕上げ材として「AE」は使われなくなってきましたが、アクリル樹脂の塗料は低VOCの塗料も開発されており今後に期待が出来る塗料です。