【建築士向け】塗装の種類。塗装の名称、記号、適用下地のまとめ

塗装

・たくさんの塗料があるけど、下地によりどの塗料をつかえばい
 いの?
・屋外、屋内では各々どんな塗装がつかえるの?
・図面に書いてある塗装仕上げの記号はどの塗装を表しているの? 

本記事では建築の設計に必要な「塗装の知識」の中の塗装の種類、記号、適用下地をまとめています。

塗装の種類一覧表

塗装の記号は「国土交通省の公共建築工事標準仕様書」や「日本建築学会の建築工事標準仕様書・同解説JASS 18 塗装工事」や「都市再生機構(UR)」で各々で定めていますがおおむね似ています。また、会社によっても違う場合がありますので、その物件の標準仕様書や特記仕様書、仕上表に凡例として記載されている場合がおおいので確認が必要です。
なかでも「国土交通省の公共建築工事標準仕様書」に記載の塗装は一般的に建築に用いられる塗装が記載されていますので、実務を行う上でしっかりと理解しておく必要があります。
下記表に一般的な「国土交通省の公共建築工事標準仕様書」に記載の塗装の種類、記号、適用下地をまとめました。

名称記号適用場所適用下地
特徴
合成樹脂調合ペイント
解説
SOP
屋内外木部、鉄鋼面、亜鉛めっき鋼面汎用的な着色塗料
耐アルカリ性が劣るためコンクリートやボード面には適さない
クリヤラッカー
解説
CL屋内木部(造作材、建具、家具等)木部の透明塗装仕上げ
フタル酸樹脂エナメル
解説
FE屋内外木部、鉄鋼面、亜鉛めっき鋼面SOPより平滑性や美装性に優れた着色仕上げ
現在ではSOPと差異が無くなってきているので公共建築工事標準仕様書より削除された
アクリル樹脂系非水分散形塗料 NAD屋内コンクリート面、モルタル面平滑な着色仕上げ
アクリル樹脂エナメル
解説
AE屋外コンクリート面、モルタル面
鋼製建具、外装材
平滑な美装着色仕上げ
環境配慮としてJIS規格は廃止された
2液形ポリウレタンエナメル2-UE外部鉄骨、亜鉛メッキ面、コンクリート等耐候性塗料(DP)
での仕上げとして主に3級に相当します。
アクリルシリコン樹脂エナメル2-ASE外部鉄骨、亜鉛メッキ面、コンクリート等耐候性塗料(DP)
での仕上げとして主に2級に相当します。
常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル2-FUE外部鉄骨、亜鉛メッキ面、コンクリート等耐候性塗料(DP)
での仕上げとして主に1級に相当します。
耐候性塗料
解説
DP屋外鉄鋼面、亜鉛めっき鋼面、コンクリート面等性能が高い順に下記等級がある
1級(ふっ素)>2級(シリコン)>3級(ポリウレタン)
つや有合成樹脂エマルションペイント
解説
EP-G屋内外コンクリート面、モルタル面、プラスター面
せっこうボード面その他ボード面等
水系塗料のためVOCの発生が少ない
表面につやがあり汚れがあり、つや無しより汚れが付きにくい
きれいな仕上げ面
屋内木部、鉄鋼面、亜鉛めっき鋼面
合成樹脂エマルションペイント
解説
EP屋内外コンクリート面、モルタル面、プラスター面
せっこうボード面その他ボード面等
水系塗料のためVOCの発生が少ない
平坦で汎用的な着色仕上げ
合成樹脂エマルション模様塗料EP-T屋内コンクリート面、モルタル面、プラスター面
せっこうボード面その他ボード面等
模様仕上げ
ウレタン樹脂ワニスUC屋内木部透明仕上げ
オイルステインOS屋内木部ステイン塗り
含浸性があり、木材の表情、素地の質感を残すことができる
木材保護塗料WP屋外木部防腐、防カビ、防虫の薬剤を含む塗料

上記リストのほかにも建築で塗装工事に入るもので「各素地ごしらえ」や「さび止め」塗装とがあります。「素地ごしらえ」鉄鋼面やボード面、ALC面等各下地ごとに工程が決められています。また、鉄鋼面等「さび止め」は鉄部の塗装の下塗りとして用いられています。

まとめ

上記表に「国土交通省の公共建築工事標準仕様書」に記載されている一般的な塗装の種類と記号、適用下地をまとめました。
設計を行う際に塗装する場所の材料にはどの塗装が採用できるか、図面に記載の記号はどの塗装のことを表しているのか確認するのに利用いただければとおもいます。

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