【建築士向け】いがいに忘れがち、塗装の目的!塗装ってとっても便利!!

塗装

塗装の目的

皆さんご存じの通り塗装の目的は「美観」「保護」近年では機能性塗料の開発も進み「機能の付与」があります。
その目的から、なぜ塗装仕上げを使うのか事業主に説明できるよう塗装のいいところをあげてみました。

意匠的に仕上材として便利な塗装

塗装はとても便利で素晴らしい仕上材です。使い勝手が抜群によくさまざまな建物で採用されています。

どんなふうに素晴らしいかと言うと下記のような素晴らしい点があります。

「いろいろな素材に色彩をつけることができる。」

塗料により塗装可能な素材(適用下地)が違いますが、コンクリートやボード面、鉄鋼面、木部等さまざまな部位に塗装可能な塗料が各メーカーより発売されています。適切な塗料を選べばどんなところでも色彩をつけることが出来ます。

さらに、色彩は混ぜて作ることが出来るので設計者の意図にあった色彩をつくることができます。

塗装によって違う適用下地を一覧できるよう下記記事にまとめましたので参考にしてください。

「さまざまな表情を出すことが出来る。」

木部に塗る塗装は木目ををそのまま生かした仕上りにでき木材の風合いを残し自然な仕上げでナチュラルな表情を出すことが出来ます。
特に家具の仕上げや床、壁の仕上げによく採用されます。

ほかには特殊塗料を使うことによってレザー調やメタリック調、エイジング加工風や石調などいろいろな仕上げが可能です。石調仕上げなどではいろいろなパターンがあり、豊かな表情を出すことができ仕上げを選ぶのも楽しいです。

「納まりがいい。」

塗装仕上げは、軽いので構造に余計な荷重をかけることがない、そして、薄いので部材の断面にも影響を与えないので納まりを気にせずに採用することが出来ます。

ただ、ボード下地で大面積に塗る場合はひび割れに注意が必要です。
対策としては目地を3,000mm内外でいれて対処します。

機能性塗料などの特殊な塗料

塗装はただ色をつけるだけではない時代です。通常でも素材の保護の機能がありますが近年ではさらに機能を向上した機能性塗料がいろいろなメーカーから展開されています。そんな機能性塗料ではどんな機能を付与できるか建築の塗料中心に紹介します。

機能性塗料の分類

機能性塗料は建築以外にも自動車業界や船舶、工業用とたくさんの種類があります。
その業界により求められる機能は違います。

建築では高耐候性塗料、耐火性塗料、抗菌塗料、光触媒を用いた防汚性塗料といったものが機能性塗料として展開されています。

ちなみに機能性塗料は機能性塗料はほかにも「高機能塗料」や「特殊機能塗料」という呼ばれ方をしています。また、複数の機能がある塗料は「多機能性塗料」とも呼ばれていますが、おおむね同様のの意味として捉えて大丈夫です。

機能性塗料の種類、特徴を下記の表にまとめました。

種類機能用途
高耐候性塗料特に紫外線や赤外線、雨等の天候による外的要因に対する
耐久性が高い
外壁や屋上等
耐火性塗料鉄骨の耐火被覆として利用できる。色彩をつけることも
可能
鉄骨柱、梁等
抗菌塗料菌やウイルスの繁殖を抑制する効果があります。リビング、寝室等
防カビ塗料防カビ材や防藻材を塗料に添加して機能を付加したもの外壁、地下室、倉庫や工場等
結露防止塗料結露を防止する。断熱性能もある製品が多い。
防カビ材を添加すればより効果が期待できる。
地下室、料理室、倉庫や工場等
結氷・着雪防止塗料撥水加工や防水性があり、結氷・着雪を防止する豪雪地帯の屋根、電線、アンテナ
すべり止め塗料鋼板やコンクリート、木材等に防滑性を付加
することが可能
階段、倉庫や工場の床

機能性塗料とは別ですが、模様をつけることが可能な塗料や特殊な塗料もあります。

マスチック塗料や合成樹脂エマルション模様塗料、メタリック仕上などです。

塗装のデメリット

ここでは簡単に塗装のデメリットを挙げていきます。

①工程が多く工期が長くなる。
下地調整 ⇒ 下塗り ⇒ 中塗り ⇒ 上塗り と工程が多く、下塗りの後に乾くまで期間を置かないといけないなど日数がかかり工期が長くなりがちです。

②雨の日に施工できない。
外壁の塗装などの屋外の塗装は施工できるかどうか天候に左右されます。雨や湿度が高いときに施工を行うと期待している性能を発揮されないことがあります。
また、雨の日をさけるため工程にも遅れが出てくる場合があります。

③仕上りが職人さんの腕に左右される
ベテランの塗装職人にかかれば一定の品質で仕上げてもらえるのですが、経験が浅い職人だと仕上りが一定ではない場合があります。
みんなはじめは新人なので温かい目で見てあげないといけませんが、新人さんをフォローするベテランの職人がいることが安心につながります。

④クロスというライバルがいる
内装の仕上げだと、欧米では塗装が主流なのですが、日本ではクロスが主流です。
クロスは塗装と比べて工期が短く工事費も安い傾向があるので内装の仕上げとして利用される頻度が高いです。
また、日本は高温多湿で塗装に向いていない気候もクロスが主流の一因かもしれません。

まとめ

塗装の大きな目的は、「美観」「保護」「機能付加」になります。
最近では遮熱や防カビなど高い機能を付加した塗料がたくさん出てきており、住環境の向上に期待できます。

模様やメタリック調などの塗料もあるので様々な表情をつけることが出来ます。

デメリットは塗装の永遠のライバルのクロス貼りとの比較で、工期がかかる、工事費が高い、工事が天候に左右されるなどが挙げられます。

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